Adobe の Project Gingerbread により、AI 画像生成の制御がより簡単に可能に
Adobeによるデザイナー向け AI Project 『Ginger bread』
アドビは、デザイナー向けのより正確な AI ツールである Project Gingerbread を使用して、生成画像処理の未来を垣間見ることができます。この新しいツールにより、AI による画像生成の制御が容易になり、より柔軟かつ正確な結果が得られるようになります。
3D シーンの作成とテキストプロンプト
Project Gingerbreadでは、ユーザーはまずイメージシーンを3Dオブジェクトで大まかにモデル化します。例として、ウィスキーグラスの形状を考えてみましょう。この3D形状は、背景と画像の右端にわずかに押し込まれるように配置されます。
次に、ユーザーはテキストプロンプトを使用して、画像システムに指示を与えます。例えば、「木製テーブル上のウィスキーグラス」というテキストプロンプトを処理すると、AI はこの指示に基づいてウィスキーグラスの画像を3Dモデル上に配置します。この時、以前に配置された画像内のほぼ同じ位置にウィスキーグラスが表示されるようになります。
これにより、Project Gingerbreadは画像生成のランダム性を軽減し、ユーザーがより正確な結果を得ることができるようになります。また、ユーザーはさらにカスタムな3Dオブジェクトをアップロードすることで、より詳細な制御を行うことも可能です。
正確な AI 画像生成の実現
Midjourneyのような画像AI システムでは、ユーザーはテキストプロンプト以外で画像生成を制御することはできませんでした。しかし、DragGANなどの研究プロジェクトによって、正確な AI 画像生成が技術的に可能であることが示されています。さらに、MetaのMake-A-SceneやプロジェクトGLIGENなどのテキストのみの画像システムも、より詳細な制御を提供しています。
DragGANについては過去の記事でもご紹介
Adobeのアイデアは、AI の生成をより制御可能にすることです。このアイデア自体は新しいものではありませんが、それがPhotoshop のような広く使用されているツールに生産的に統合されるとき、それは初めて研究室から現実の世界に移行することになるかもしれません。
Adobe のプロジェクト・ジンジャーブレッド
アドビは、デザイン会社Figmaが主催する見本市「Config 2023」で、プロジェクト・ジンジャーブレッドを発表しました。このプロジェクトは、AI が生成した画像を大まかにフレーム化された3Dシーンに合わせて重ねることができる新しい画像 AI です。これにより、AI 画像生成はより正確かつ柔軟になり、創造的な自由がさらに広がります。
プロジェクト・ジンジャーブレッドが具体的な製品として登場する時期や形態はまだ不明です。ただし、このプロジェクトは、デザインとグラフィックスのための生成 AI がまだ十分に研究されていないことを示しています。Adobeは、このプロジェクトを、Photoshop、Premiere Pro、Illustratorなど、Creative Suiteのさまざまなプログラムに統合する予定です。
ジンジャーブレッドに関するさらなるニュースは、2023 年 10 月の Adobe Max 2023 で発表される可能性があります。AI 業界では、ペースの速さが重要な要素となっており、Adobeは早めにジンジャーブレッドを発表することを検討しているかもしれません。
まとめ
Adobe の Project Gingerbread は、AI による画像生成を制御する新しいツールです。ユーザーはテキストプロンプトを使用して画像を生成し、3Dシーンに重ねることができます。これにより、AI 画像生成はより正確かつ柔軟になり、創造的な自由が広がります。プロジェクト・ジンジャーブレッドは、デザインとグラフィックスの領域における AI の可能性を示しており、今後の展開に期待が持たれます。
