リコール製品や安全ではない製品から消費者を守るための日本版「製品安全誓約」がスタートしました
| 製品安全誓約の署名先 | 運営している OM |
| アマゾンジャパン合同会社 | Amazon.co.jp |
| eBay Japan 合同会社 | Qoo10 |
| au コマース＆ライフ株式会 | au PAY マーケット |
| 株式会社メルカリ | メルカリ,メルカリ Shops |
| 株式会社モバオク | モバオク |
| ヤフー株式会社 | Yahoo!ショッピング,ヤフオク!,PayPay フリマ |
| 楽天グループ株式会社 | 楽天市場,楽天ラクマ |
モール出店者への影響
OECD（経済協力開発機構）の製品安全誓約
リコール製品や安全ではない製品が消費者に及ぼすリスクを最小限に抑えるため、日本版の「製品安全誓約」が発表されました。この誓約は、OECD（経済協力開発機構）の製品安全誓約の声明を踏まえ、関係省庁と主要なオンラインマーケットプレイス（OM）を運営する事業者との協力によって策定されたものです。
本記事では、製品安全誓約について詳しく解説します。
製品安全誓約の概要
製品安全誓約は、オンラインマーケットプレイス上で出品・販売されるリコール製品や安全ではない製品から消費者を保護するために行われる官民協働の取り組みです。この誓約は、法的な枠組みを超えて製品の安全性を確保することを目的としています。対象は、大規模インターネットモールなどのBtoC型ビジネスだけでなく、オンラインフリーマーケットやインターネットオークションなどのCtoC型ビジネスも含まれます。
製品安全誓約は、以下の3つの要素から構成されています。
- 製品安全誓約本紙：全12項目からなる誓約内容が掲げられています。
- 事業者向けガイダンス：OM運営事業者が製品安全誓約の内容を理解するための参照資料です。
- 関係省庁による手引き：消費者庁、総務省消防庁、経済産業省、国土交通省などの関係省庁が安全ではない製品に関する取り組み内容や手続きをまとめた資料です。
製品安全誓約は、官民協働で実施され、OM運営事業者は自主的に取り組みます。
日本版「製品安全誓約」（以下、単に「製品安全誓約」といいます。）は、OECD（経済協力開発機構）が公表した「製品安全誓約の声明（注1）」を踏まえて、関係省庁と主要なオンラインマーケットプレイス （注2）（Online Marketplace。以下「OM」といいます。）を運営する事業者との協働により策定したものです。
製品安全誓約は、OM上において出品・販売される、リコール製品や安全ではない製品（注3）が製品火災等の生命・身体に及ぼすリスクから消費者をこれまで以上に保護（注4）することを目的とした、製品安全に係る法的枠組みを超えた「官民協働の自主的な取組（注5）」であり、その対象は、大規模インターネットモールのようなBtoC型ビジネスとともに、オンラインフリーマーケットやインターネットオークションのようなCtoC型ビジネスの両方をカバーしています。
なお、製品安全誓約は、①全12項目で構成される「製品安全誓約本紙」（別紙1のとおり）のほか、②OM運営事業者が製品安全誓約の内容を理解する際の参照資料となる「事業者向けガイダンス」（別紙2のとおり）、③消費者庁、総務省消防庁、経済産業省及び国土交通省といった消費者向け製品の関係省庁（以下「関係省庁」といいます。）（注6）による「安全ではない製品」等に関する考え方、具体的な取組内容及び手続を取りまとめた「担当者向け手引き」（別紙2のとおり）により構成されており、官民協働で製品安全誓約を実施することとなります。
経済産業省の記事より引用
（注1）消費者庁ウェブサイト「OECD 製品安全誓約の声明」参照。
（注2）オンラインマーケットプレイスは、日本国内において、モールやオンラインモールとも呼ばれますが、オンラインで製品の取引の「場」を提供している事業者が製品安全誓約の対象となることを明確化するため、「オンラインマーケットプレイス」と表します。
（注3）アプリストアやデジタル広告は製品安全誓約の対象外です。
（注4）製品の安全性確保に向け、OM運営事業者が行う出品削除や関係省庁が行う注意喚起を始め、これまでも官民が協働で取り組んできましたが、製品安全誓約は、これを拡大・充実させるものです。
（注5）製品安全誓約は、自主的な取組であり、特定の法律に基づくスキームではありません。
（注6）関係省庁は、今後増加することを想定しています。
製品安全誓約の具体的内容
製品安全誓約本紙には、全12項目の誓約内容が掲げられています。例えば、OM運営事業者はリコール製品や安全ではない製品について、以下のような対策を行います。
- 規制当局のウェブサイトの定期的な確認と出品削除
- 消費者からの通知に対する適切な対応
- 悪質な販売者への適切な措置とリコール製品の再出品阻止のための措置
また、規制当局はOM運営事業者に対して、販売者情報の提供や説明資料の提供など、製品安全誓約の効果的な実施を支援します。
これらの取り組みにより、署名したOM運営事業者が運営するOM上で安全な製品が販売され、消費者の安全性が向上することが期待されます。
日本版の製品安全誓約の特色
日本版の製品安全誓約は、OECDの製品安全誓約の声明に基づいていますが、欧州や豪州の事例を参考にしながら、日本国内の主要なOM運営事業者との連携のもとで策定されました。
以前から、経済産業省は主要なOM運営事業者に対して法令違反が疑われる出品者への対応を求めるなどの取り組みを行ってきましたが、製品安全誓約の署名により、日本におけるOM上の製品安全の枠組みが新たに構築されます。
日本版の製品安全誓約は、欧州や豪州で実施されている製品安全誓約のスキームに準拠しています。さらに、日本独自の取り組みとして、消費者への対応に関する業務フローの報告や消費者保護の強化など、内容に重点が置かれています。
まとめ
リコール製品や安全ではない製品から消費者を守るために、日本版の「製品安全誓約」が始まりました。この誓約は、オンラインマーケットプレイスと関係省庁の協力によって実施され、安全な製品の販売と消費者の安全性の向上を目指しています。
製品安全誓約は、官民協働で行われる自主的な取り組みであり、全12項目の誓約内容と具体的な対策が策定されています。
日本版の製品安全誓約は、欧州や豪州の事例を参考にしながら、日本独自の取り組みを盛り込んでいます。消費者の安全性の向上に向けて、製品安全誓約は重要な役割を果たすことでしょう。
よくある質問（FAQ）
Q1. 製品安全誓約はどのように実施されますか？
製品安全誓約は、オンラインマーケットプレイスと関係省庁の協力によって実施されます。OM運営事業者は自主的に製品安全誓約に署名し、具体的な対策を実施します。
Q2. 製品安全誓約の効果は期待できますか？
はい、製品安全誓約により、署名したOM運営事業者が運営するOM上で安全な製品が販売されることが期待されます。消費者の安全性の向上に貢献する取り組みです。
Q3. 日本版の製品安全誓約は他の国と比べてどう違いますか？
日本版の製品安全誓約は、OECDの製品安全誓約の声明に基づいていますが、日本独自の取り組みも盛り込まれています。消費者対応の報告や消費者保護の強化など、日本国内の事情に合わせた内容が特徴です。
Q4. 製品安全誓約はどのような製品に適用されますか？
製品安全誓約は、オンラインマーケットプレイス上で出品・販売されるリコール製品や安全ではない製品を対象としています。BtoC型ビジネスだけでなく、CtoC型ビジネスもカバーしています。
Q5. 製品安全誓約の目的は何ですか？
製品安全誓約の目的は、消費者をリコール製品や安全ではない製品から保護することです。安全な製品の販売と消費者の安全性の向上を実現するために行われる取り組みです。
引用元
消費者庁ウェブサイト「OECD 製品安全誓約の声明」
経済産業省 ニュースリリース
